photo: SUEMASA Mareo

ミッキーマスク

作家名(日)ヤノベケンジ
作家名(英)YANOBE Kenji
制作年1991(オリジナル) / 2000(普及用コピーバージョン)
素材・技法双眼鏡、防毒マスク、ヘッドホーン、トランス、乾電池、雑嚢
サイズ本体:H30 × W29 × D25cm、付属品:H18 × W11 × D2.5cm
著作権表示© YANOBE Kenji
収蔵年2000(作品購入年月日:2000/09/27)
受入方法購入
解説1965年大阪府(日本)生まれ、同地在住。

鉄など様々な素材を使って立体作品を制作するアーティスト。原体験として日本万国博覧会(1970年)を持つ。それは、心躍らされる「未来」であったが、会期終了後はその未来の「廃墟」となった。人が抱く「夢」と、その「実現」との間にある断絶。両者の間で葛藤しながらいかにサバイバルするかということを制作のテーマとしている。2001年頃よりリバイバルをテーマに掲げ、「廃墟」からの再生を追求する。

《タンキング・マシーン》は、内部に入ることのできる立体作品。球形のタンクを、人の身体と同じ濃度の食塩水で満たし、体温程度に温める。その中に入って浮かぶと、母胎の中にいるかのような経験が可能となる。外観は、誇張された自画像とも見ることができる。《ミッキーマスク》は、防毒マスクに取り付けられたオペラグラスと料理用のおたまで遠くを見聞きする作品。実際に装着すると、視野が狭いため足下をキョロキョロとしてしまうことになる。《マーキング・ドック》は、スパイ用の偵察機をイメージして作られた作品。人が操縦することで実動する。いずれも未来的なイメージとローテクな素材や技法が掛け合わされている。《ビバ・リバ・プロジェクト― スタンダ―》は、リバイバルをテーマとする最初の作品。放射線を10回受けると立ち上がる幼児をモデルとする。作者はこの作品に「絶望からの再生」の意味を重ねた。チェルノブイリ被災地の荒れ果てた幼稚園にあった人形、そして作家自身の初めての子供の誕生が、この作品が生まれるきっかけとなっている。

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