© Laurie SIMMONS

悔恨のミュージック

作家名(日)ローリー・シモンズ
作家名(英)Laurie SIMMONS
制作年2005-2006
素材・技法35mmフィルム(HD CAMへ変換)
サイズ44分14秒
著作権表示© Laurie SIMMONS
収蔵年2007(作品購入年月日:2007/08/31)
受入方法購入
解説1949年ファー・ロッカウェイ(米国)生まれ、ニューヨーク在住。

1970年代から、おもちゃ、腹話術の人形、オブジェを用いて、絶妙にライティングが施されたドールハウスや背景を舞台に空想的な世界を構築する写真作品を発表。現実では叶えられない情景を人造の舞台に映し出してきた。写真はシリーズとして構成され、ひとつのシリーズの完結の後、次のシリーズが始まるという物語的なスタイルをとる。「人形」「家」といったモチーフを用いながら、現代社会の混沌とした模様を日常のレベルから映し出す作家である。

《悔恨のミュージック》は、ローリー・シモンズが1970年代より発表してきた写真作品の中のオブジェや人形たちを用いた初の映像作品で、おもちゃの人形たちが登場する「グリーン・タイ」、腹話術の人形による「悔恨のミュージック」、ウォーキング・オブジェクト(歩く物)シリーズの人形による「オーディション」の3幕からなるミュージカル仕立ての作品である。この中で、唯一の人間の登場人物として、メリル・ストリープがシモンズの分身に扮し、腹話術の人形とともにかつての恋人との回想シーンを演じている。「こうしていれば今頃は…」というフレーズで始まるコーラスとコミカルでメロドラマ的な歌声の中に、私たちが普段生活する中で内に秘める悔恨や欲望の心情の機微を吐露する模様が、鮮烈な色使いとともに深い哀愁に包まれながら、濃厚に描き出されている。舞台装置、セリフ、歌詞は彼女によるものである。人形と背景との関係の複雑な画像処理、人形や小さな舞台セットに実際の人物を使って撮影する時と同様の照明方法をとるなど、デジタルとアナログを駆使した映画作品である。

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