photo: SAIKI Taku
ドラゴンホイール
作家名(日) | 中村哲也 |
---|---|
作家名(英) | NAKAMURA Tetsuya |
制作年 | 2005 |
素材・技法 | FRP、ウレタン塗装 |
サイズ | H200 × W40 × D200cm |
著作権表示 | © NAKAMURA Tetsuya |
収蔵年 | 2006(作品購入年月日:2006/03/31) |
受入方法 | 購入 |
解説 | 1968年千葉県(日本)生まれ、長野県在住。 東京藝術大学大学院漆芸専攻を修了後、漆芸の伝統的な素材と技法を再解釈し、独自の塗りと造形の方法論によってジャンルを横断した造形活動を展開。捨てられたトロフィーに金メッキを施し、ウミガメの剥製に金箔を貼り、巨大な馬の彫刻を螺鈿で覆うなど、常に権威や栄光の象徴を巡って「価値」を考察する作品を発表してきた。主としてFRPにウレタン塗装を施す手法で巨大な造形制作に取り組み、近年は「スピード」をテーマに世界最速の乗り物をコンセプトに「速そうに見える」形体を追求している。 中村哲也は、物事の表面に塗り込められた価値の記号を剥ぎ取って現実の空間を闊歩させる。主要なテーマである「スピード」は現代を象徴する価値のひとつである。中村は「世界最速の乗り物」をコンセプトとして「速そうに見える」形を作り出し、その作品を「レプリカ」と名付けて発表してきた。見せかけの速さを追求する中で誕生した作品《ドラゴンホイール》において、中村は、「速そうに見える模様」としてモデルカーの表面に描くファイアー・パターンを自立させている。炎を象った2次元のパターンを3次元に変換することによって誕生するフォルム自体のリズムや方向性と、そのフォルムの表面を塗るという作家のアクションとのせめぎ合いによって異様な造形が立ち現れる。異形の物体を目の前にする時、見慣れた価値のパターンが我々の中で揺らぎ始める。 |