photo: KIOKU Keizo
雑草
作家名(日) | 須田悦弘 |
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作家名(英) | SUDA Yoshihiro |
制作年 | 2004 |
素材・技法 | 木、彩色 |
サイズ | サイズ可変 |
著作権表示 | © SUDA Yoshihiro |
収蔵年 | 2006(作品購入年月日:2006/03/31) |
受入方法 | 購入 |
解説 | 1969年山梨県(日本)生まれ、東京都在住。 1999年まで数人の作家らとスタジオ食堂で活動。初めての個展で銀座のパーキングメーターに作品を設置するなど、当初から作品とそれが置かれる場所とが密接な関係を有する展示を行ってきた。須田は現在、花や草をモチーフに、本物と見間違うように精巧に彫り上げ彩色を施した木彫り彫刻を制作する。作品は展示空間の中でもあえて目立たない場所やさりげない場所に設置され、鑑賞者は、「見つける」という能動的行為によってか、たまたま目に留まるという偶然性によって作品と出会う。 《バラ》は、あたかも手折られて地面へ落ちていく瞬間であるかのように空間に浮いている。透けるように薄く彫り上げられた花びら、虫食いの跡を残す葉、とがった赤い棘。須田の木彫りと彩色の技術はどこまでも完璧だ。しかし、木の質感や光沢のない彩色によって、それが木彫りの彫刻であるという主張がぎりぎりのところで感じられる。よく見るとバラの花びらは、風に吹かれて舞い上がったかのように、周囲の壁にまで散っている。一方で《雑草》は空間のどこかにさりげなく展示されている。我々の目がその緑色の小さな草を認めるとき、当初気にも留めていなかった空間の片隅やデッドスペース、床のクラック等、《雑草》が「芽吹いた」その場所を初めて意識をもって掬い取る。須田の作品とその展示は、ふとした瞬間に我々の感覚や認識を静かに、しかし確かに揺さぶるのだ。 |