photo: SAIKI Taku
無題
作家名(日) | 村山留里子 |
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作家名(英) | MURAYAMA Ruriko |
制作年 | 2005 |
素材・技法 | 化学染料、正絹 |
サイズ | H860 × W730cm |
著作権表示 | © MURAYAMA Ruriko |
収蔵年 | 2006(作品購入年月日:2006/03/31) |
受入方法 | 購入 |
解説 | 1968年秋田県(日本)生まれ、同地在住。 村山は1990年代初頭に秋田から上京し、舞台美術に関わる一方で、ろうけつ染めを独学で学ぶ。90年代後半からは、化学染料で染めた絹布を細く切り裂いてひたすら縫い重ねた作品を発表。2000年代初頭からは、ビーズやパール、造花、レースなど手芸用品店で入手した素材をぎっしりと埋め尽くしていくオブジェ、「奇麗の塊」シリーズの制作を開始した。やがて「塊」は増殖変化を遂げ、より「身体」へ引きつけたビスチェやドレス、腕などの形体に展開している。 村山は、色とりどりに染めた絹布や、探し集めた造花にビーズなど、ひとつひとつの布片やパーツの色や形、手触りを直感的に選択しながら、過剰なまでの集中力で紡ぎ上げていく作品を作り出してきた。2005年の当館での企画展に際して制作された本作品は、その大きさと密度の点で、作家の代表作ともいうべき作品である。あらかじめ決めた設計図などなく、自身の手・目・感覚に任せ、即興的に素材を紡ぎ、拡大・増殖させた結果、濃淡含め80色から90色ほどの色の断片が、高さ約8.6メートル、幅約7.3メートルにわたって縫い繋げられるまでに至った。色彩の壁のごとくそびえ立つ色の連続面、糸や布端の盛り上がりで物質的な塊として迫りくる反対側の面。大きさと色彩は飽和点へ、物質と色彩との境界は臨界点へと達し、見る者の視覚のみならず身体全体にまで揺さぶりをかけている。 |