© Carmela GARCÍA

オフィーリア I

作家名(日)カルメラ・ガルシア
作家名(英)Carmela GARCÍA
制作年2001
素材・技法発色現像方式印画 / プレキシガラス
サイズH179 × W224.5cm
著作権表示© Carmela GARCÍA
収蔵年2003(作品購入年月日:2003/03/31)
受入方法購入
解説1964年ランサローテ(スペイン)生まれ、マドリード在住。

マドリード、バルセロナなどで写真を学び、1998年から作品を発表。当初から、女性たちの姿について社会が共有するイメージを問うような写真作品を制作。その後、虚実入り交じる女性だけの世界を表した「少女、欲望、虚構」シリーズや、1920年代頃活躍した女性作家たちの足取りを追い、内面を探り出そうと試みる過程で、彼女らに対する一般的なイメージとガルシアによるフィクションを複雑に織り込んだプロジェクト「星座」などを発表。近年は映像も手掛け、女性に与えられてきた様々なイメージを解釈し直す表現を行っている。

第49回ヴェネツィア・ビエンナーレ(2001年)の関連企画として、ジュデッカ島で行われたグループ展「オフィーリア&ユリシーズ:スペインの現代美術」に出品された3点組の写真作品である。シェイクスピアの「ハムレット」に登場するオフィーリアは、ラファエル前派の画家J. E.ミレイが描いた絵画などでよく知られるが、水の中で死を迎えるいわゆる悲劇のヒロインである。本作でガルシアは、あえて水中を泳ぎ、そこから立ち上がって自らの足で歩き出す女性のイメージとして表した。画面のほとんどが水と女性のみで構成されるシンプルかつ大胆な構図において、写真というメディアの特性を生かしつつ、現実と虚構を軽やかに行き来する本作は、見る者に不思議な余韻を残す。

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