photo: WATANABE Osamu
スイミング・プール
作家名(日) | レアンドロ・エルリッヒ |
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作家名(英) | Leandro ERLICH |
制作年 | 2004 |
素材・技法 | コンクリート、ガラス、水 |
サイズ | H280 × W402 × D697cm |
著作権表示 | © Leandro ERLICH |
収蔵年 | 2004 |
受入方法 | 購入 |
解説 | 1973年ブエノスアイレス(アルゼンチン)生まれ、モンテビデオ(ウルグアイ)在住。 我々がどのように事象を捉え、空間と関わり、そして、現実を把握していくかという哲学的な問いを反映させた作品を発表してきた。その多くは大型のインスタレーションによって空間全体をユーモアとウィットに富んだ世界に変換し、鑑賞者の知覚や思考に刺激を与えるものである。厳密な科学的実験ではなく、だまし絵的な世界ともいえるこれらの作品群は、知覚や認知といった問題を軽やかに扱っており、宙づりにされる現実を前に、我々は、人が世界をどのように捉え、自身を位置づけるかという時間や空間の本質について再考することを余儀なくされる。 《スイミング・プール》は光庭の床下に設置されたプール型の作品。地上部から見下ろすと透明の強化ガラスの上に水深10センチメートルの水が張られた特別な仕掛けを持ち、鑑賞者は建物の地下通路を通ってガラス下の水の無いプールに入ることができる。ガラスを挟んで鑑賞者が出会う様子は、互いを知らない間にも親しみやすさを創出する一方で、ありふれた場所や空間に対する人々の常識的な認識が覆される瞬間でもある。《見えない庭》は正12角形の屋根を持つ東屋の作品で、内部は8枚の大型の鏡で均等に4分割されている。人は見ているものを、そこに在る事実として正しく見ていると思い込みがちであるが、鏡の効果によって自分の姿や東屋の中の様子、ひいては同じ部屋にいる人々の移動によってもたらされる実像と虚像が入り交じった空間における、様々な関係性に疑念を持ち始める。視覚に頼った空間の認識に対して疑義を挟み、身体で思考する経験を提案する作品である。 |