ブルー・プラネット・スカイ

作家名(日)ジェームズ・タレル
作家名(英)James TURRELL
制作年2004
素材・技法モルタル、彩色、御影石、戸室石
サイズ部屋の内寸:H850 × W1117 × D1117cm、開口部:H560 × W560cm
著作権表示© James TURRELL
収蔵年2004
受入方法購入
解説1943年ロサンゼルス(米国)生まれ、フラッグスタッフ在住。

ジェームズ・タレルは知覚心理学、数学と美術史を学び、1968年から1971年までアメリカ航空宇宙局研究所に所属。1966年よりスタジオを構え、光を用いた実験的な作品の制作を始める。また、自身がパイロットであり、飛行中の光の体験が作品制作に強く反映されている。タレルは一貫して光を素材として用い、光を体験する様々な空間を提示することにより、私たちの内奥にある感覚に働きかけ、知覚の本質を問いかけることを探求している。

《ガスワークス》は隔離された状況下で個々に光を体験する装置である。レールの上のベッドに仰臥した体験者は、小さな開口部から球体内部に送り込まれる。内部は継ぎ目なく仕上げられているため、形、陰影、距離など空間を把握する手掛かりを見出せず、視野が完全に等質な「全体野」の状態に置かれる。体験者は下半球に隠されたストロボとネオン管からの、絶妙にプログラムされた光と色の変化を全身に浴びる。《ブルー・プラネット・スカイ》は、過ぎゆく光を捉え、人間の知覚体験に働きかける作品。立方体の空間に入り周囲に配されたベンチに座ると、正方形の天井の中央部分にある、正方形に切り取られた空へと視線が向かう。開口部の鋭いエッジの処理により、天井面と空が同一平面上にあるように見える。ここでは、空を通じて朝から夜まで絶えず変化する光を体感することが促される。特に日暮れ以降、空間に照明が灯され、刻々と変化する空の光を劇的に演出する。「あなたはどのように光を感じるか」というタレルの問いかけは、作品を通じて体験者の身体感覚に新たな知覚をもたらす。

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