photo: SAIKI Taku

灰釉打押文四陵壷

作家名(日)北出不二雄
作家名(英)KITADE Fujio
制作年1964
素材・技法
サイズH54 × φ28.5cm
著作権表示© KITADE Hiroshi
収蔵年2004
受入方法寄贈
解説1919年兵庫県(日本)生まれ、2014年石川県にて逝去。

九谷焼の北出家に生まれ、叔父である北出塔次郎の養子となり、素地、色絵を学ぶ。石川県立工業学校卒業後に京都国立陶磁器試験所にて修学、兵役後、金沢美術工芸専門学校に入学した。北出不二雄は古九谷の本歌取りを主流としていた九谷焼の世界に「彩釉陶」の技法で中東美術との融合を図り、釉による自由な表現の可能性を示した。

北出不二雄の「彩釉陶」は、陶胎の表面が乾く前に文様を釘彫りして素焼きし、その後、焼き締めた文様の上に色をのせ、アルカリ分の多い低火度の釉薬をかけて焼成する。工業学校窯業科在学中に、北出塔次郎の窯に逗留していた富本憲吉の写生に基づく作陶の姿勢に深く共鳴し、影響を受けている。《彩釉刻線 鳥たち》では、生命感溢れる鳥を斬新な図案に起こし、単純な描線を彫りながら色絵付けを施す。そして透明釉により、鮮やかな色彩の上に微妙な色調と絵画的で幻想的な表現を可能とした。《青釉カトレア文壷》は、鮮やかな発色の青釉で中近東の趣向をもたらし、硬質の九谷焼に伝統を越えた軟質の彩りの風合いを生み出している。

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