© SAWA Hiraki
airliner
作家名(日) | さわひらき |
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作家名(英) | SAWA Hiraki |
制作年 | 2003 |
素材・技法 | DVD |
サイズ | 3分 |
著作権表示 | © SAWA Hiraki |
収蔵年 | 2005(作品購入年月日:2005/3/31) |
受入方法 | 購入 |
解説 | 1977年石川県金沢市(日本)生まれ、ロンドン(英国)在住。 大学時代、中に入ることができる彫刻作品などを手掛けた後、コンピュータを使ったヴィデオ作品を制作し始める。自分のアパートの部屋、世界各地の風景を実写した映像から場面を切り取り、再構築し、飛行機の模型を写した写真、おもちゃの木馬や鳥、影など、コンピュータ上で異なった時空間を合成する。ローテクな手法により感じられる温かみある表現には、浮遊感や軽妙さ、独特の奇妙さが漂う。近年は、彫刻的なアプローチで映像を配置する、オブジェと映像を併置するなど、より彫刻的な空間構成が窺える。 さわひらきの初期の映像作品では、作家が実際に暮らすアパートという最も日常的で私的な空間を舞台に日常と非日常の両極が描かれる。外の世界が私的な空間に入り込む《spotter》では、世界各地を短時間で結ぶ飛行機がさわの室内に進入、浮遊し、群衆が、室内の至るところで頭上を行き交う飛行機を双眼鏡等で追い続ける。日常の中でひっそりと進行する非日常を描き出す《elsewhere》では、やかん、トイレットペーパー、シャンプー等、様々な生活用品に足が生え、さわのアパートの中を歩き始める。ここでの足の動きには、映画発明以前の19世紀末に、動体を連続的に撮影することによって科学的に人間の動きを解明しようとした動体写真術を用いている。外部世界を個の空間に収め、自分の視点で消化するというさわの手法が、《airliner》においては本という世界で表れる。ページをめくることにより飛行機が動いているように見えるパラパラマンガ的手法は、映像の原点を想起させるとともに、ページをめくる動きを連続させることによって永遠性を持たせている。 |