photo: SAIKI Taku

燿彩鉢・華文

作家名(日)三代 德田八十吉
作家名(英)TOKUDA Yasokichi III
制作年1998
素材・技法彩釉磁器
サイズH9.5 × φ54cm
著作権表示© TOKUDA Yasokichi IV
収蔵年2000(作品購入年月日:2000/03/31)
受入方法購入
解説1933年石川県(日本)生まれ、2009年同地にて逝去。

三代 德田八十吉は、初代八十吉を祖父に、陶による造形作家である二代八十吉を父として、多様な分野の芸術家との交流の中で「現代の九谷の色絵とは何か」を追究。伝統的な古九谷の技法をもとに科学的手法による研究を重ね、「絵の表現様式の変化そのものが九谷の伝統である」という独自の「伝統」解釈の下に、旧来の花鳥風月の模様や図柄を離れ、光沢と色彩を放つ物質としての色釉を純粋に打ち出すことに現代性を見出し、1983年に「燿彩(ルビ:ようさい)」(2003年以降「耀彩」と表記)と称する独自の様式を確立した。1988年三代八十吉を襲名。1997年、重要無形文化財保持者(彩釉磁器)に認定された。

德田の彩釉磁器は、九谷五彩から赤を抜いた4色(黄、緑、紺青、紫)を原点とし、釉薬調合の研究と1000度を超える高温による焼成技術の開発によって、色数を百数十色にまで広げ、渋く重い伝来の色調から清明なものへと飛躍的変貌を遂げた。多色の極に向かう「耀彩」と単色の極に向かう「深厚耀彩」という両極を成す作品群によって、德田は独自の造形の可能性を追究した。《燿彩鉢・華文》は「耀彩」の作例であり、滑らかに研磨された大鉢の硬質な白い素地に50種の色釉を用い、釉の流れや色調の変化によって多色多彩の輝きを映し出す。《深厚燿彩壺》をはじめ、青系統の「深厚耀彩」による11点の作品群は、一点一点として緊張感漲る形を成すと同時に、群として器形の変容をダイナミックに示し、德田の作域の広さを物語る。

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