photo: SUEMASA Mareo
Sugar Crown
作家名(日) | 西山美なコ |
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作家名(英) | NISHIYAMA Minako |
制作年 | 2004 |
素材・技法 | 砂糖、卵白 |
サイズ | H10.7 × W14 × D14cm |
著作権表示 | © NISHIYAMA Minako |
収蔵年 | 2005(作品購入年月日:2005/03/31) |
受入方法 | 購入 |
解説 | 1965年兵庫県(日本)生まれ、同地在住。 1980年代後半から、紙パルプを用いた立体作品を制作。その後、現代の日本文化の特徴といわれる「かわいい」や「ピンク」を全面に押し出した作品で注目を集める。装飾性をテーマにした作品を手掛けると同時に、壊れやすさ、はかなさへのこだわりから砂糖や卵白を用いた作品を生み出した。近年はピンクという色彩を多く用いながらも、より本質的なものを探ろうと様々な素材を作品に取り入れている。また、光の反射に着目した立体・平面作品を展開しつつ、壁に直に描く空間的・建築的な作品への展開も見られる。 《Sugar Crown》は、王冠というモチーフがもろく崩れやすい砂糖で形を与えられた作品である。同様の作品として、指輪やハイヒールをモチーフとした作品がある。これらの題材は、少女文化、とりわけ少女漫画において頻繁に登場する図像である。時間の経過とともに、確実に崩れていく素材や王冠というテーマの選択は、女性性や女性像を作り上げてきた構造そのものへの批評とも捉えうる。また、《Untitled(PW-970508)》他3点の写真は、シュガークラウンが崩れていく様相を記録した作品である。西山の初期の代表作ともいえる《ザ・ピんくはうす》は、日本の少女対象の玩具「リカちゃんハウス」から着想を得ている。ハート、薔薇、リボン、ドレープが強調されたカーテン、西洋的な家具といった図像が、赤やピンクといった強烈な色彩で描かれ、現実の家や家具と同寸に拡大されている。大衆的な憧れの世界の実像を突きつけ、現実と夢、実像と虚像とを横断する表現を実現している。 |