photo: SAIKI Taku
てんてんぽう
作家名(日) | できやよい |
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作家名(英) | DEKI Yayoi |
制作年 | 1997 |
素材・技法 | アクリル/紙、ボード |
サイズ | H147 × W315cm |
著作権表示 | © DEKI Yayoi |
収蔵年 | 2005(作品購入年月日:2005/03/31) |
受入方法 | 購入 |
解説 | 1977年大阪府(日本)生まれ、同地在住。 初個展を開催した1999年、水戸芸術館での「日本ゼロ年」展に最年少で参加し、注目を集める。できやよいは、彼女だけが見ることができる「ななかむら」という世界を、現実世界の中で絵画として描き出してきた。指の腹で押された無数の絵具が画面を隅々まで覆い、そのひとつひとつには、細筆で人間や動物の表情が描き加えられている。できは、「ななかむら」の住人たちの姿で画面を埋め尽くすのである。こうした手法から生まれる作品は、強迫観念的な異次元空間の様相を呈している。 大きな画面に描かれたひとつの顔は、よく見ると、膨大な数の小さな顔で構成されている。ひとつひとつの顔は、フィンガープリントによる輪郭と、細筆で描かれた顔のパーツから成っている。画面下方に描かれている人物は、制作当時、作家が憧れていたミュージシャンの顔がモデルとされる。その人物に対する執着と妄想が、溢れんばかりの色彩と隙間なく描き込まれたディテールから成る華麗なファンタジーとして表出している。指紋を押しつけるという身体的な行為と緻密な細密画の手法、ミクロとマクロの世界が同居する画面構成が特徴的な作品である。「てんてんぽう」とは、できが「夢や幻で出会った何者か」であるといわれ、その正体は分かっていない。 |