photo: SAIKI Taku
線/影(長方)
作家名(日) | 伊藤孚 |
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作家名(英) | ITO Makoto |
制作年 | 2002 |
素材・技法 | 板ガラス、紙 |
サイズ | H86.5 × W61.5 × D3cm |
著作権表示 | © ITO Makoto |
収蔵年 | 2005(作品購入年月日:2005/03/31) |
受入方法 | 購入 |
解説 | 1940年大連(旧満州、現中国)生まれ、山梨県(日本)在住。 多摩美術大学で日本画を学んだ後、各務クリスタル製作所(現在のカガミクリスタル)で職人として吹きガラスを習得。1967年に自宅に溶解炉を築き、1970年に独立した。母校にて、日本初の大学におけるガラス課程の創設に関わり、日本でのスタジオグラス運動をリードしてきた。近年、自ら溶解炉を撤去し、これまでのガラス制作プロセスに依存しないガラスとの新しい関わりを試みている。 細かい無数の線は、ガラス板の表側からリューターやダイヤモンドの先を持つペンで引っ掻いて刻んだものである。ガラスの厚みと光の通過によって、ガラスの裏側に挟み込まれた紙上に繊細な影が投影される。吹きガラスなどの技法で立体作品を作っていた頃のシンプルで理知的な造形感覚が、これら2点の作品ではさらに研ぎ澄まされた形で表れている。余分な造形要素を削り落とし、光と影、通過と反射という現象に主眼を置いて浮き立たせた作品である。線や余白に漲る緊張感は、日本画の線描に通ずる深い精神性を漂わせている。 |