photo: © ANZAÏ
金沢の自動ドア
作家名(日) | カールステン・ヘラー |
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作家名(英) | Carsten HÖLLER |
制作年 | 2004 |
素材・技法 | ミクスト・メディア |
サイズ | H230 × W256 × D1500cm |
著作権表示 | © Carsten HÖLLER |
収蔵年 | 2005(作品購入年月日:2005/03/31) |
受入方法 | 購入 |
解説 | 1961年ブリュッセル(ベルギー)生まれ、ストックホルム(スウェーデン)在住。 植物病理学と農業昆虫学を学び博士号を取得した後、1980年代後半から芸術家として活動を開始する。単体の立体作品から空間全体に及ぶ大規模なインスタレーションに至るまで、様々なメディアを駆使したその表現は多岐にわたるが、その手法は概して科学的で高度な技術に立脚しており、その体験を通じて我々は、自分の知覚の不確からしさと現実への懐疑を痛感する。そうして撹拌(ルビ:かくはん)させられた我々の感性は拡張し、さらなる未知の美的体験と出会うのである。 本作品は5つの自動ドアから成る。展示室から展示室へと至る途中の通路に設けられたこの両開きのドアは、その全面が鏡でできており、鑑賞者は扉を通り抜けるたびに鏡に覆われた世界に身を置かされる。自動ドアの開閉する動作が一瞬の間だけ我々を日常に引き戻そうとするが、いくら通り抜けてもそこは前と同じ空間の繰り返しだ。しかしながら、不意に予期せぬ別の鑑賞者がドアの向こうから現れ、この無機的な体験の反復を挫き、様々な感情を各々に湧き上がらせる。複数の鑑賞者の介在によって作家の築いたシステムに予想外の出来事が引き起こされながら、だからこそその体験が一層豊かになる作品であり、人々の行き交う美術館の廊下の特性を巧妙に利用している。 |