photo: SAIKI Taku
空いの間
作家名(日) | 板橋廣美 |
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作家名(英) | ITABASHI Hiromi |
制作年 | 2003 |
素材・技法 | シャモット |
サイズ | H40 × W93.5 × D52.5cm |
著作権表示 | © ITABASHI Hiromi |
収蔵年 | 2004(作品購入年月日:2004/03/31) |
受入方法 | 購入 |
解説 | 1948年東京都(日本)生まれ、同地在住。 1970年代前半から陶芸家を志し、多治見市陶磁器意匠研究所を修了。1970年代後半から、鋳込みを用いてある種官能的かつ内省的なフォルムを持つ磁器作品を制作する。その後、黒陶の実験的な作品や、シャモット(一度焼いた陶器の粉)を白磁と組み合わせた作品などを展開。次第にシャモットに焦点を絞り込み、近年ではシャモットのみから成る造形を手掛け、素材の属性をテクスチャーとフォルムに託した表現を追求している。 本作品を含む、シャモットを用いた「重力内無重力」シリーズのコンセプトは、焼物を「重力による床への従属」から解放したいという作家の思いに由来する。シャモットは釉薬と混ざり合い焼成されると、空間の中で自由に形を保つ特性を持つ。板橋は木やダンボールで作った枠組みに、釉薬を染み込ませた紙を何層にも貼り付けた上で、シャモットの中に埋め込み、釉薬とシャモットとを混ぜ合わせた。焼成により骨組みの木や紙は焼失し、釉薬によって固められた厚さ1センチメートルほどのシャモットの層のみが形をもって表出した。陶の造形構造のみならずその意味をも解体検証する作家の態度が表明されている。 |