photo: SAIKI Taku
上昇と落下
作家名(日) | スコット・チェイスリング |
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作家名(英) | Scott CHASELING |
制作年 | 2003 |
素材・技法 | ガラス |
サイズ | H49 × φ26.2cm |
著作権表示 | © Scott CHASELING |
収蔵年 | 2004(作品購入年月日:2004/03/31) |
受入方法 | 購入 |
解説 | 1962年タムワース(オーストラリア)生まれ、ベルリン(ドイツ)在住。 オーストラリアとアメリカで彫刻とガラスを学び、1980年代後半から作品を発表する。吹きガラスに始まり、現在は「ロール・アップ」と呼ばれる技法を用い、物語性に富んだ絵画的な画面を作品に取り込んでいる。「ロール・アップ」とは、ガラスの断片をタイルのように並べ、溶かしつけた上でそこに息を吹きつけ、立体的な形へと変化させる成形法。器形の外と内の全面にわたって全く異なった画面や文様を描き入れることで、複数の空間・時間軸を併せ持つ独自の造形表現を実現している。 正面には落ちていく男性の姿が描かれている。反対側の面には、オレンジ色の円のパターンを背景に四角く画面が切り取られ、切り株に腰掛ける人物の脇をトラックが通り過ぎようとする場面が描かれている。これらのイメージをチェイスリングは「スナップショット」と呼ぶ。器の正面・背面に加え、内側の空間にもまた異なった「スナップショット」が展開されている。実際の出来事と想像上の物語とが交錯し、独特の浮遊感が感じられる本作品からは、漫画やアボリジニの文様の影響も認められる。内部に空間を孕む器形において時間軸や虚実の枠をも自在に操るチェイスリングの作品傾向を端的に示す作例である。 |