photo: SAIKI Taku
種の器ータナミ砂漠の形跡シリーズ I-02
作家名(日) | ピピン・ドライスデイル |
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作家名(英) | Pippin DRYSDALE |
制作年 | 2002 |
素材・技法 | 磁器 |
サイズ | H41 × φ20cm |
著作権表示 | © Pippin DRYSDALE |
収蔵年 | 2004(作品購入年月日:2004/03/31) |
受入方法 | 購入 |
解説 | 1943年メルボルン(オーストラリア)生まれ、フリーマントル在住。 西オーストラリア美術デザイン学校上級陶芸コースを修了後、1986年を皮切りに次々と個展を開催。精力的な制作活動を行い、ヨーロッパや北米など、海外での滞在制作の経験も多い。ろくろで薄く挽いて立ち上げた角状のフォルムの器を基盤として、その器体に滞在制作先や旅先の風景、自国オーストラリアの広大な自然から受けた感覚や痕跡を表現する。独自の色彩感覚も評価が高い。 両作品とも、2002年から始まる「タナミ砂漠の形跡」シリーズに属する作品。オーストラリア北西部のタナミ砂漠上空を飛行機で飛んだ際に受けた強い印象が、同シリーズが生まれるきっかけとなった。表面に彫り込まれた白く細かい線は砂漠に生じる風紋を表している。太陽の光や雲が砂漠に落とす影など、刻々と変化する砂漠の表情が、《みかげ石のプール》や《種の器》の器体に施された緑やオレンジの色彩に託された。単色の中にも繊細な濃淡が浮かび上がっているのは、何種類かの釉薬を表面にスプレーで施した結果である。さらに研磨によって部分的にかき消された白い線が、変わりゆく砂漠の景色を強調する。大地を構成する素材である土が、作家を通した大地の印象の体現として再生されている。 |