photo: SAIKI Taku
構造の漂流
作家名(日) | マーティン・スミス |
---|---|
作家名(英) | Martin SMITH |
制作年 | 2002 |
素材・技法 | 陶器 |
サイズ | H25.4 × φ14.2cm、H9.7 × φ25.2cm(5点組) |
著作権表示 | © Martin SMITH |
収蔵年 | 2004(作品購入年月日:2004/03/31) |
受入方法 | 購入 |
解説 | 1950年ブレイントリー(英国)生まれ、ロンドン在住。 1970年代中頃に楽焼の技法を応用した器で陶芸家としてのスタートを切った。1980年代に入ってからは、器をいったん解体した後、再構成したかのような作品を発表。後に、器の内部の壁に金箔やプラチナ箔を施すようになり、素焼の粗い質感とのコントラストが特徴的な作品を制作。余分な要素を削ぎ落としたシンプルな表現の中に捉えられた、形体や内部空間の僅かな差異におけるミニマリスト的展開が特徴となっている。 高さの異なる2点1組、計5組から構成されるインスタレーション作品。ペアのうち、背の低い器体の底面にはプラチナ箔が施された上に網目の模様が刻まれ、もう一方の底には箔が施された半球状の物体がはめ込まれている。5組の作品は全く同じ形の反復のように見えるが、実際は少しずつ傾斜の角度が変化していき、最後の組はぎりぎりのところで平衡を保つフォルムで佇む。抑制の効いた外観や、傾きなど僅かな形の差異の中に漲る緊張感、作品内部を満たす控えめながら思索的な輝き、反復の中に示唆される時間性などの点で、ミニマル・ミュージックとも相通ずる作品である。 |