photo: NAKAMICHI Atsushi / Nacása & Partners

男は海水のなかをダイビングしている

作家名(日)小島久弥
作家名(英)KOJIMA Hisaya
制作年1995
素材・技法海水、二酸化炭素、フィギュア、ワイングラス、望遠鏡
サイズH23 × W11 × D11cm
著作権表示© KOJIMA Hisaya
収蔵年2004(作品購入年月日:2004/03/31)
受入方法購入
解説1957年愛知県(日本)生まれ、同地在住。

実際の風景を借景として取り込む彫刻や、部屋全体の物を左右対称に置くことでその部屋のセンターラインに存在しない鏡を擬似的に作り出すようなインスタレーションなど、小島久弥は、現実と虚構が交差する世界を作品として提示する。現実と虚構が一致する地点を、作家は「クリティカル・ポイント」(臨界点)と名付け、多様な表現手段を用いて探求し続けている。

《男は海水のなかをダイビングしている》のタイトルが示す通り、望遠鏡を覗くと視界いっぱいに、ダイビングスーツを着た男がアクアラングをつけて泳いでいる風景が見える。しかし、望遠鏡の向けられた先を辿ると、それがテーブルに置かれたワイングラスの中の世界であり、ダイバーはフィギュアであると分かる。一方で、グラスの水を満たすのは海水、ダイバーの口から吐き出されているのは二酸化炭素というように、現実の世界を虚構の世界に取り込んでいる。ミクロとマクロの世界を往復することで鑑賞者の想像力を掻き立てるこの作品は、現実と虚構が一致する点を追求する「クリティカル・ポイント」シリーズのひとつである。

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