photo: SHOZU Kazuo

Wood No.5 CJ

作家名(日)角永和夫
作家名(英)KADONAGA Kazuo
制作年1984
素材・技法
サイズH58×W427×D53cm
著作権表示© KADONAGA Kazuo
収蔵年2000
受入方法購入
解説1946年石川県(日本)生まれ、石川県金沢市在住。

当初、画家を志していた角永は、60年代のミニマル・アートやコンセプチュアル・アートを背景に、70年代初頭から木を素材とした彫刻作品を発表する。その後、角材や丸太を薄くスライスし、重ねて元の形に再構築する作品や、漉いた和紙を何枚も重ねて脱水・乾燥させ、一部を剥がした作品など、人為的な加工を極力排除し、素材がもともと持ち合わせている性質や作品の生成のプロセスを可視化するような制作スタイルを確立する。竹やガラス、シルク(蚕)など他の素材を用いる際もその制作態度は変わらずに貫き続けている。

《Wood No.5 CJ》は一見して、横たわった丸太そのもののように見える。しかし実際は、長さ4メートルの杉の丸太を厳密な作業の反復によって約0.5ミリメートルの薄さにスライスしたものを再び重ね合わせ、丸太の形に復元したものである。削り出された一枚一枚の板は紙のように薄く、乾燥の過程で微妙なそりを生む。再び積み重ねられた木材は、制作者の手の届かぬところで経た変容の過程を記憶する。一方、見る者の視線を吸い込むような深みを持つ巨大なガラスの塊が《Glass No.4 H》である。このシリーズの制作のために角永が築いた特殊な炉の中で、1450度という高温によって溶けたガラスが、一筋の液体のように自動的に下方へ落とされる。ガラスは自重により不均一に堆積していき、その後、約3 ヶ月かけて冷却された。生成のプロセスがそのまま幾筋もの線やたわみに表れ、静謐ながら圧倒的な存在感をもって佇む。両作品とも、同一作業の反復が生み出すものが、決して同一ではないこと、素材自身が秘める性質や力が浮かび上がった結果としての形であることが分かる。

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