photo: SAIKI Taku
爆ー転生
作家名(日) | 藤井一範 |
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作家名(英) | FUJII Kazunori |
制作年 | 1999 |
素材・技法 | 陶土 |
サイズ | H57 × W640 × D240cm |
著作権表示 | © FUJII Kazunori |
収蔵年 | 2000(作品購入年月日:2000/04/01) |
受入方法 | 購入 |
解説 | 1969年富山県(日本)生まれ、同地在住。 金沢美術工芸大在学中に同大教授であった久世建二の影響を受け、陶芸の素材である土の物質性に着目する制作態度を学び、独創的な造形の在り方を模索する。在学中に自ら「爆陶(ルビ:ばくとう)」と名付けた独自の表現方法を生み出し、以後、制作の中心となる。「爆陶」とは、成形した土に火薬を仕込み、それを爆発させたものを乾燥の後、焼成して作る造形である。爆発という自然の極地といえる現象と、火によって形を永久的に残す土という素材の両者に深く関わることで生まれる藤井の造形は、芸術行為の根本に立ち戻るものでもある。 藤井が1990年頃から手掛ける「爆陶」シリーズを代表する作品。陶土ブロックに残された荒々しい痕跡や、倒れて裏返ったパーツ、周囲に散らばる細かな破片などが爆発時の衝撃を物語る。制作において藤井は、約2トンの土の塊に導爆線を仕込んで発破した。爆破後は窯に入る大きさに土を切断し、内部をくり抜いた上で焼成。タイトルの「転生」の言葉は、予想を大きく超えた爆破後の土の姿を目にし、自らの内部に何かが生まれたように感じたことをきっかけとして、仏教の「輪廻転生」から採ったという。以前は、爆破の一瞬を「点」として残した作品が多かったが、本作では爆破の連鎖がうねりを持つ「線」として表され、より複雑なダイナミズムを反映している。 |