dial H-I-S-T-O-R-Y: Three hijacked jets on desert Airstrip, Amman, Jordan 12 September 1970. dial H-I-S-T-O-R-Y, Johan Grimonprez, 1997 Photo: Johan Grimonprez and Rony Vissers
ダイヤル ヒ・ス・ト・リー
作家名(日) | ヨハン・グリモンプレ |
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作家名(英) | Johan GRIMONPREZ |
制作年 | 1997 |
素材・技法 | カラー&白黒映像、ステレオ、DVD |
サイズ | 68分 |
著作権表示 | dial H-I-S-T-O-R-Y: © 1997-2003 Johan Grimonprez INFLIGHT: © 2000 Johan Grimonprez |
収蔵年 | 2004(作品購入年月日:2004/03/31) |
受入方法 | 購入 |
解説 | 1962年ブリュッセル(ベルギー)生まれ、ゲント(ベルギー)、ニューヨーク(米国)在住。 ヨハン・グリモンプレは、ゲント、ニューヨーク、マーストリヒトでメディア芸術を学ぶ。1980年代後半より国際的なメディア祭、映画祭に参加、特に1997年に発表した《ダイヤル ヒ・ス・ト・リー》が国際的な評価を得る。膨大なイメージに囲まれた現代社会を見つめ、伝達手段、言語等、そのツールを検証しつつ、テレビ等のメディアと政治や経済システムとの共犯関係、また、情報の氾濫によって、現実を捉える私たちの感覚がいかに麻痺しているかを暴き、痛烈に批判する作品を制作している。2008年にはアルフレッド・ヒッチコックを引用しながら、メディアの人間に対する支配を描いた《Double Take》を発表。 ニュースや記録ヴィデオに残された様々なハイジャックの光景を繋いだ映像作品《ダイヤル ヒ・ス・ト・リー》は、メディアのリアリティ形成への作為的な関与を浮き彫りにする。技術の発達は私たちの世界の見方を操作し、覗き見的な欲求や誘惑と相まって、大惨劇は見せ物となり、人々の死の捉え方すら一変させた。タイトルの「ダイヤル」は、テレビリモコンによる「ザッピング」行為やインターネットでの検索行為を暗示する。次々と映像が切り替わる編集方法は、映像が事実から切り離され、無意味なイメージになりうることを示す。また、深刻な場面に重ねられるポップな音楽は、このような操作がテレビ報道で氾濫し、今やそれが私たちの現実の認識の仕方となっているという危機的状態を暗示する。同様の視点で制作された《インフライト》は、民間飛行機の機内席に設置されているような乗り物酔い用の袋、20世紀のハイジャック史をテレビ報道の画像とテキストで網羅した雑誌、ハイジャックに遭った際の心構えと注意事項が記載されたしおりから成る。これらがコーヒーやヴィデオ・ライブラリーを備えたくつろいだ空間に配される。 |