photo: KIOKU Keizo
アブストラクト・ペインティング(CR 845-8)
作家名(日) | ゲルハルト・リヒター |
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作家名(英) | Gerhard RICHTER |
制作年 | 1997 |
素材・技法 | 油彩 / アルディボンド板 |
サイズ | H100 × W90cm |
著作権表示 | © Gerhard RICHTER |
収蔵年 | 2003(作品購入年月日:2003/03/31) |
受入方法 | 購入 |
解説 | 1932年ドレスデン(ドイツ)生まれ、ケルン在住。 東ドイツ政府の下、美術教育を受けたが、西ドイツ旅行中に出会った抽象表現主義に強い影響を受け、ベルリンの壁のできる半年前にデュッセルドルフへ移住。1962年に新聞の写真をもとにした《机》を発表。以後、あらゆる存在を反映する基盤として「シャイン」(光、見せかけ、仮象)をテーマとし、高度な絵画技術をもって多様なスタイルを同時期に並行させ、可視性と不可視性、写真と絵画、現実と虚構との境界を行き交いながら、「見ること」を探求し続けている。 ゲルハルト・リヒターの画歴は、新聞や雑誌などのモノクロ写真のイメージを油彩で精密に模写しつつぼかしを施し対象を普遍化させる「フォト・ペインティング」シリーズに始まり、色彩が幾何学的に配列された「カラー・チャート」、その対極の「グレイ・ペインティング」というシリーズが続く。さらに、即興的かつ無意識的に組み合わせた色彩を多層化させる「アブストラクト・ペインティング」、絵具の痕跡と写真という異なる表現形式の層を重ねて「境界」を想起させる「オイル・オン・フォト」のシリーズが展開する。《ベティ》《ムスタング》は、「フォト・ペインティング」の油彩画をさらにプリントにしたエディション作品である。既存イメージの転換・再帰を考察するリヒターは、《ムスタング》で反射率の高いアンテリオ・ガラス板を使用し、イメージの多層性をより強調する。「ミラー・ペインティング」シリーズの代表作《8枚のグレイ》では、グレイの色が施された8枚の大ガラスが鑑賞者を囲み、「見る」という行為を促す。作家が「見えるものでも見えないものでもない」と呼ぶグレイの特性が支配する中、映り込んだ像が無限に反復する本作品は、あらゆる事象を無の中に「映し出す」装置となる。 |