金銀装単龍環頭大刀

資料名(ヨミ)キンギンソウタンリュウカントウタチ
遺跡山王山古墳
時代・時期古墳時代後期
解説 龍の頭部をかたどった柄頭を持つ、長さ93.5cmの鉄製の大刀(たち)です。姉崎地区の台地上にあった古墳時代後期の前方後円墳、山王山(さんのうやま)古墳から出土しました。
 環頭部は、龍の胴体と脚を細かく表現した楕円環(だえんかん)と、胴体から内側にのびた頭部が火炎(舌?)を出している様子が鋳造され、金メッキが施されています。
 柄(つか)部には4か所の金銅装縁金具(ふちかなぐ)がはめられ、縁金具の間には銀板の帯状金具が2か所に配置、環頭寄りの銀板には6弁の花紋装飾が施されています。柄の握り部には、銀線が巻かれ、非常に精巧なつくりとなっています。
 鞘(さや)は外装を蕨手(わらびて)風の文様を施した銀板で包み、44個のハート形の猪目透(いのめすかし)を施した金銅製の化粧板で留められています。鞘尻(さやじり)は、銀版と金銅製縁金具からなり、その先端部の鐺(こじり)部には厚さ5mm程の鹿角装鞘当てをはめ込みブロンズ釘2本で止めています。
 この環頭大刀は、朝鮮半島の百済(くだら)の武寧王陵(ぶねいおうりょう)出土環頭大刀とよく似ており、龍の形がこれよりやや簡素なことから、製作年代は本例が少し新しくなると思われます。武寧王の没年が523年であることや、山王山古墳副葬品に含まれる鉄鏃の組み合わせが6世紀前半から中葉の特徴を示すことから、山王山古墳の下限は6世紀中葉に求めることができるでしょう。
 銀線巻きの柄は、国内では藤の木古墳出土の大刀にも認められ、当時の装飾大刀の中でも格の高い仕様だったと考えられます。山王山古墳の被葬者がいかに有力な人物だったかを物語る重要な資料と言えるでしょう。

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