湖 

作家コロー,カミーユ Jean-Baptiste-Camille COROT
制作年1860年頃
材質、技法(形状)油彩・布
作品寸 (縦、cm)28.3
作品寸法 (横、cm)58.8
作品識別番号Ⅲ-189
公開解説〔國富奎三コレクション室 常設展示室〕
 木々に挟まれるように中央に湖が広がっています。地平線は低く、薄明かりの空が広く見えています。遠くに建物が見えますが、おぼろげな輪郭しか確認できないのは、画家が湖に漂う大気を描き出しているからです。湖の手前には小舟に乗る赤い帽子をかぶった人物が、また右の木々の近くに二人の人物がいます。帽子の赤い色は画面に秩序を与えるとともに、視点を木々から湖、そして遠くへと導いていきます。
 カミーユ・コローは人物を風景の一部として描きました。色と色との関係を重視して描き、現実の風景を詩情に満ちた光景にまとめています。
自然を写実的に描写したとった画家ですが、木の葉などの細部が省略されています。また画面手前の浜辺における画家の筆致は、後の印象派絵画の先駆をなす描法も用いています。

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