花咲くプラムの木

作家ピサロ,カミーユ Camille PISSARRO
制作年1889年
材質、技法(形状)油彩・布
作品寸 (縦、cm)46
作品寸法 (横、cm)55
作品識別番号Ⅱ-184
公開解説〔國富奎三コレクション室 常設展示室〕 
 ピサロは、本格的に画家を志した当時、コローに傾倒していましたが、モネやルノワールとの交流のなかで、印象派の画家としての作風を確立します。常に多様且つ斬新な表現を探求し続けたピサロは、シニャック、スーラとの出会いを契機に、1885年から1890年まで新印象派の描画法を取り入れました。
 この作品は、細かい点描で画面に絵具が置かれる一方で、ピサロ独自の筆遣いである厚みのある力強い筆致でプラムの木々が描かれています。点描の理論に添いつつ初期の画業の経験を活かし、表現の幅を広げつつある時期の一作です。生命力溢れる明るい画面の中で、花咲き誇る木々やキャベツ畑とは対照的に、さりげなく控え目に描かれた農作業をする二人の人物が印象的で、ピサロが晩年に到達する境地を予感させるものがあります。 

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