北海道実測切図(久遠)

ヨミホッカイドウジッソクキリズ(クドオ)
収蔵番号044413
分類文書
コレクション名北海石版所資料
解説 「北海道実測切図」は、北海道庁が1886(明治19)年からおよそ10年をかけて行った地形測量事業の成果として、1890(明治23)年から順次印刷・刊行された20万分の1地図(全32枚)である。「河版」「山版」「墨版」の3枚の銅版から転写用の紙に一度写して、さらにそれを石版石に転写してから印刷された(石版色刷)。海抜40mごとに引いた褐色の等高線で山を、青で水を描き、戸長役場・警察分署・病院・郵便局・学校・神社・寺院などの施設のほか、温泉、滝、畑、屯田兵村、殖民地区画なども描かれている。また、アイヌ語地名を含む数多くの地名が記載されている。全37枚の刊行予定であったが、千島の「色丹」「爺岳」「単冠」「紗那」「蘂取」の5枚が未刊に終わり、32枚が揃いである。なお、当館の収蔵番号44413は16枚しかなく、各図に「河版/山版/墨版」などの墨書がある。収蔵番号44413は、地図の印刷所であった「北海石版所」からの寄贈資料であり、本資料は「河版/山版/墨版」の銅版の保管用(包紙)として使用されたものである。
 本図は、収蔵番号44413の他の地図の記載から、1920(大正9)年に札幌の北海石版所で印刷された第8刷と推測される。右下部分が大きく欠損。
【資料情報】
・印刷者:本間清造(札幌区北2条西3丁目1番地)
・印刷所:北海石版所(札幌区北2条西3丁目1番地)
・石版色刷、1舗、39.0×55.0cm
【参考文献】
高倉新一郎「明治以後の北海道測量史:北日本地図作製史 第6報」『北方文化研究報告』第18号、北海道大学、1963年
高倉新一郎編『北海道古地図集成』北海道出版企画センター、1987年
髙木崇世芝『明治期 北海道地図の研究』北海道出版企画センター、2022年

PageTop