刀 銘 兼元

資料ID1687
分野美術工芸
分野補刀剣・刀装具
区分実物
作者兼元
年代室町時代
材質
寸法(図録用)刃長66.9 反り1.5
解説文又は共通解説文鎬造(しのぎづくり)、庵棟(いおりむね)、中切先やや伸びてフクラ枯れる。中間反りに先反りがつく。地鉄(じがね)は板目に杢(もく)目交(ま)じり、肌流れて柾(まさ)がかり、鎬地はとくに肌立つ。刃文(はもん)は端正な三本杉。先の尖った互の目(ぐのめ)に足・金筋(きんすじ)が入り、匂口(においぐち)冴えて刃中明るい。茎(なかご)を磨り上げている。
兼元銘は大永(1521-28)から寛永(1624-44)ころまで数代にわたって作例があり、本作は有名な二代兼元(孫六兼元)またはその後代とみられ、焼き幅が低高低と、明瞭な三本杉を焼く。

本作は、刀身全体に端正な「三本杉」の刃文が焼かれています。また後の所持者によって、茎先部分から短く切り詰められ、茎棟側より削られているため、銘字を半分しか見ることができません。
 本作は孫六兼元に見紛う出来の刀ですが、銘文等が孫六兼元とは特徴が異なるため、同時代の別人刀工である「別人兼元」による作とみられます。しかしその技量は孫六兼元とも遜色はなく、こうした刀工の存在が孫六兼元という存在の価値をより高めることにつながったとみられます。(関鍛冶伝承館2024)

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