根子町人形 大黒

資料名カナネッコマチニンギョウ ダイコク
グループ名大竹コレクション(郷土玩具)
法量9.5×7.3×5.6(cm)
登録番号F199600902
備考現在の福島市清水町、江戸時代の奥州街道沿いにあった小さな宿場(通称:根子町宿)でつくられたこの人形は、近世後半に生まれて大正初期には姿を消しました。仙台屋・吉野屋という2軒の家でのみつくられ、短い命で幕を下ろした、まぼろしの土人形といえます。仙台・堤人形系の人形ですが、その大きな特徴は素焼きの人形に和紙を張り付けて彩色する製法で、絵画的表現に富んでいると言われます。土地の粘土を使用しているため精粗の差も大きく、和紙を張るのは土の割れを防ぐ目的がありました。その種類には、雛人形や天神人形などの節句に飾られる人形、エビス大黒のような縁起物、歌舞伎物の人形などがあります。明治時代には、養蚕の盛んであった信達地方の地域的な特色を背景にして、女性をかたどった養蚕神が多く作られて流行しました。
テーマ幻の土人形~根子町人形
資料解説大竹正三郎コレクション(郷土玩具)より。当館に収蔵されている根子町人形は大竹正三郎コレクション・梅宮茂コレクションという郷土玩具コレクションのうちの一部です。小さな宿場町に生まれた根子町人形ですが、これには次のような話が伝えられています。江戸時代の終わりころ、仙台・堤人形の窯元にいた若い嫁が、舅のいじめに耐えられなくなり、同情した若い腕ききの人形師と一緒に江戸を目指して逃げ出しました。その途中、清水町宿で娘が急病にかかってしまい、旅籠であった仙台屋に救われて助かりました。滞在中に人形師は、お礼のために堤人形をつくって店に並べたところ評判となり、仙台屋の主人は屋敷に工房を作ってあげました。主人もその技を伝授されて人形作りをはじめ、ここから根子町人形が生まれたといいます。

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