/4

落葉

資料名(ヨミ)オチバ
技法紙本着色
形状六曲一双屏風
テーマ岡倉天心ゆかり
時代明治
解説近代日本画の不朽の名作「落葉」を遺した菱田春草(1874~1911)は、理知的で進取の気質に富んだ人物であった。しかし健康に恵まれず、33歳の時に眼病を伴う腎臓病を患い、一時失明の危機に陥る。その後何とか回復し、清新な感激に満ちた目で自然を観察し生まれたのが、晩秋の代々木の風景を描いた「落葉」の連作だった。<BR> 療養のため転居した代々木は当時は雑木林で、春草はここで、画友たちや、師である天心の文学性を重要視する浪漫的気質からも遠く離れ、一人静かに自然を観察し、本来持っている冷静かつ理知的な個性を呼び覚ましていった。「落葉」の連作が持つシャープな構成は、このような春草の気質が十分に表された成果といえる。また更に本作には、写実を超越し、装飾的かつ象徴的方向へ行こうとする更なる進化を見ることができる。「落葉」の連作を完成したあと、再び健康を害した春草は、本作完成の2年後36歳という若さで夭折してしまう。
資料ID4541

PageTop