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栖岸院跡出土資料

大分類【指】指定文化財
名称(ヨミ)セイガンインアトシュツドシリョウ
種別有形文化財
区分考古資料
員数140点
指定年月日2013/04/01
指定番号千文(有)第70号
所在地日比谷公園1-4 日比谷図書文化館
所有者(保持者)千代田区教育委員会
年代18世紀中葉~19世紀中葉
内容・伝来内訳:副葬品136点(やきもの35点、木製品22点、金属製品62点、石製品16点、他1点)、甕棺4点
栖岸院跡は麹町5丁目の建設工事現場から発見された。発掘の結果、紀伊和歌山藩徳川家の附家老を勤めた紀伊田辺藩主の安藤家(宗家ほか四系統家)の菩提寺であったことが確認された。主な遺構としては81基の墓址が出土し、埋葬に使用された甕棺や石室蓋石のほか、多くの副葬品なども認められた。本件の資料はこのうち比較的良好に遺存していた副葬品(人形、獅子頭、木刀、扇、土鍋、煙管、入れ歯、六道銭など)や石室蓋石、完全な形で出土した甕棺4基である。
江戸時代初期の千代田区域には、明暦の大火以前までは多数の寺院が存在していたが、明暦大火後の江戸の都市計画によりそのほとんどが周辺地域へ転出した。その中で本件は、寺院移転の際に残存したものと思われる。大名墓の特徴を有する石室墓を中心とした武家墓地であり、18世紀中葉から19世紀の江戸時代後期のまとまった状態で発見された墓址群である。江戸後期の武家の墓制や葬送を具体的に知ることのできる貴重な資料といえよう。
備考参考:千代田区立四番町歴史民俗資料館2010『千代田区文化財調査報告書(18)東京都千代田区 弥勒寺跡・栖岸院跡』

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