木造阿弥陀如来坐像

大分類【指】指定文化財
名称(ヨミ)モクゾウアミダニョライザゾウ
種別有形文化財
区分彫刻
員数1躯
指定年月日1999/04/01
指定番号千文(有)第34号
所在地麹町6-4-2 心法寺
所有者(保持者)宗教法人心法寺
年代12世紀末~13世紀第1四半期頃
内容・伝来心法寺本殿に安置されている阿弥陀如来坐像である。阿弥陀如来は、極楽浄土において現世に教えを説いている仏で、衆生は念仏などによって、浄土へ往生することができるとされる。そのため、浄土宗などの寺院ではしばしば阿弥陀如来像が本尊とされる。

本像の像容・面貌は平安時代後期、11世紀に仏師の定朝が完成した定朝様式に基本的にしたがうもので、寄木造りの手法にもその時代の特色が見て取れる。ただし、胸腹部が厚く量感のある体躯、頭部の形態などの像形には、鎌倉時代初頭に成立した新しい様式の影響がうかがわれることから、鎌倉時代に入ってからの制作だと考えられる。
この阿弥陀如来坐像を本尊とする心法寺は、近世以前にその由緒を遡ることができ、かつ区内に墓域を有する寺院としては、区内に唯一の例である。本件は、区内に現存する近世以前の木造彫刻、特に仏像として歴史的、美術史的にも重要である。また、補修が甚大で制作当初の像容を損ねているものの、平安時代後期の面影をのこす鎌倉時代初期の制作と考えられ、さらに等身大を上回る大きさの像である。このような仏像が現存することは、区内に限らず、都心の寺院においても貴重である。
備考寸法:像高109.0cm(※3尺5寸9分)
材質:木造(ヒノキ材による寄木造り)、漆箔
※通常一般公開は行っていません。

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