日枝神社境内末社山王稲荷神社本殿

大分類【指】指定文化財
名称(ヨミ)ヒエジンジャケイダイマッシャサンノウイナリジンジャホンデン
種別有形文化財
区分建造物
員数1棟
指定年月日1988/04/01
指定番号千文(有)第4号
所在地永田町2-10-5 日枝神社
所有者(保持者)宗教法人日枝神社
年代万治2年(1659)
内容・伝来山王稲荷神社は日枝神社の境内末社で、一間社春日造の本殿は日枝神社境内の北西部に南面して建っている。昭和20年5月25日の空襲による日枝神社社殿焼失の際戦災を免れた唯一の末社であり、本社復興までの間日枝神社の仮本殿として用いられた。本殿は17世紀中葉の江戸における幕府の建設活動を示す数少ない遺構例のひとつとして貴重な資料である。加えて、本遺構は関東地方には希少な隅木のはいらない縋破風(すがるはふ)形式の春日造本殿である点も特筆される。基壇のまわりには近年の改変があるが、その外には大きな改造の痕跡はなく、当時の状態をよくのこしている。
備考本殿の建立年代を示す直接資料は欠けるものの、万治2年(1659)の日枝神社造営の棟札2枚の内1枚に「上棟日吉山王大権現社」とあり、さらに天明7年(1787)の「日吉山王大権現」修理棟札には「稲荷社」が含まれる。つまり公儀普請により稲荷神社を修理していることを見れば、万治2年に本社社殿とともに稲荷神社が造営された可能性は高い。また細部絵様の性格は、17世紀中葉公儀普請の建物(浅草神社・根津神社)の中にも類例が見られるなど現遺構が万治2年公儀普請によって建立されたものと推定される。

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