竹内栖鳳

作家名(よみ)たけうちせいほう
作家名(英語)TAKEUCHI Seiho
生地京都御池通
生年1864
没地神奈川県湯河原
没年1942

作家解説

竹内栖鳳は、四条派の師についた後、自分の流派の枠にこだわらず、雪舟をはじめとして様々な古典を積極的に学び、表現の可能性を貪欲に広げた。さらに彼は西洋美術を直接研究する必要を感じ、明治33年に渡欧した。その折、伝統絵画で尊ばれた写意の重要性を認めつつ、あらためて実物の研究と光線の描写を踏まえる必要性を感じるが、特に西洋に対する劣等感を覚えることなく、制作の確かな手応えを得て帰国した。その後栖鳳は西洋の水彩画描法を四条派の筆法にうまく溶け込ませたとも評される。褐色の階調による写生的な作品を次々に発表し、人気を高めた。本作品はそうした試みの延長線上にある作品である。一見四条派風の伝統的な形式であるが、入念な写生に基づく生き生きとした動物の描写や、湿気を含んだ空気の厚みとそれを通過し漂う光線を意識させる空気遠近法の用い方は、彼が渡欧で得た問題意識を忘れずに制作を続けていたことを物語っている。

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