FS199300002000_000000_001, 0000/00/00撮影, Public Domain, CC0

恋人たち Ⅱ

作家名ケーテ・コルヴィッツ Kathe KOLLWITZ
制作年1913年(1973年頃鋳造)
技法、素材ブロンズ
寸法71.0×47.0×49.0
分野彫刻・立体(海外)
所蔵作品登録番号FS199300002000
解説膝をそろえて腰掛けた若者が、腿の上に坐らせた恋人の頭を両手で引き寄せ、その頬に顔を押し当てている。娘は放心したように天を仰いで彼に身を傾けている。1911年の《恋人たちI》(現存せず)にはロダンの《接吻》などの影響が見られたというが、この1913年作の人物のポーズややせた肢体は、ミンヌの《悲嘆する母と二児》(1888年)などに近く、ひいてはレームブルックの作品などに通じる造形感情を感じさせる。他方、各人物の間をあいまいに埋めて一体感をもたせる表現は、コルヴィッツ独特のもので、円陣を組んで子を守る《母たちの塔》(1937−38年)などにも用いられている。若者の大きな手による感情表現も、彼女の多くの版画やバルラッハの死に際してのレリーフ《哀悼》などと共通する。娘のだらりと下がった左腕や背骨の浮いた丸い背中は、死んでいるのではないかとも思わせ、若者の背に突き出た肩甲骨などには、痛々しいほどに思い詰めた愛が感じられる。(M.T.)

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