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うずくまる

作家名鳥海青児 CHOKAI Seiji
制作年1954年
技法、素材油彩、画布
寸法72.9×60.8
分野絵画(日本)
所蔵作品登録番号JO197100013000
解説1954年、第22回独立展に出品されたこの作品は、鳥海が所蔵していた黄瀬戸の掛花生けから想を得た作品である。鳥海によれば、「そのすぐれた高台の安定感を、画面に人間らしき形をとって表わそうとした」という。側面から捉えた、両膝立ててうずくまる人物の背中から腰、尻にかけての曲線は、花生けの本体部分を、尻から衣服の先端の画面底辺と平行の線は、高台部分を見立てたことは一目瞭然である。簡略化されたモティーフと堅牢なマティエールは、鳥海が獲得した独自のものだが、この作品の色彩もまた、古美術の鑑識眼に裏打ちされたものであろう。「黄瀬戸のもつ色彩的な魅力、つまり「黄」の一歩手前ともいうべ微妙な度合」が、この作品の制作につながる連想をもたらしたことからも、背景の曖昧な茶色は、実際の掛花生けの形態のみならず、色彩も意識したものとみられる。土の粗野な肌合いを思わせるタッチからも、焼き物への鳥海の偏愛が感じられる。

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