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hana 129201

作家名赤塚祐二 AKATSUKA Yuji
制作年1992年
技法、素材油彩、画布
寸法200.0×160.0
分野絵画(日本)
所蔵作品登録番号JO200900016000
解説作家が縦長の150号にこだわるのも、立って手を広げて手が届くサイズだからであり、それは精神的なものを受け止めた作家の手がストロークとして動く時の大きさである。二枚に縫い合わせた目の細かい画布や、通常よりも厚みのある木枠などに作家のこだわりのようなものが感じられる。画面は、塗って削ってまた塗ってという行為の痕跡によってできている。そうした行為を通じて色調を異にするいくつかの層が表層として現れ、画面に奥行きを暗示させる。基本的な色彩は、褐色に黒というこの時期の赤塚に典型的なものである。三つの黒い塊はそれぞれが有機的に結びついているが、何ら象徴性や物語性をもつものではない。この作品を壁のような平面として見ようとすれば平面にも見えるが、褐色の空間に黒い塊が浮かんでいるように見ようとすればそのようにも見える。絵画における平面と空間との関係性という古くて新しい問題について格闘した痕跡によって画面を成立させている。

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