JJ199800007000_010227_001T, 2001/02/27撮影, Public Domain

猿猴待月

作家名橋本関雪 HASHIMOTO Kansetsu
制作年1938年頃
技法、素材絹本着色
寸法75.8×87.0
分野日本画(日本)
所蔵作品登録番号JJ199800007000
解説月が昇ってくるのを待つ猿が、松の枝に座っているところを自在な筆遣いで描いている。おもに墨が使われ、猿の顔や草の葉などには淡い色彩が用いられている。四条派を学んだ関雪は、優れた写実技法を習得していたが、石濤や八代山人など明代から清代にかけての文人画家からも強い影響を受けた。四条派の写実性と南画の簡略粗放さが渾然一体となった独自の画境を示している作品である。関雪晩年の動物画には寂寥感が漂うが、この作品においても、松の枝と一匹の猿と月という題材、さらには背中を丸めてどこか遠くに視線を投げかける猿の姿が、一種の寂寥感を生んでいる。

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