肩で眠る月

作家名舟越桂 FUNAKOSHI Katsura
制作年1996年
技法、素材楠に彩色、大理石
寸法88.5×37.0×67.0
分野彫刻・立体(日本)
所蔵作品登録番号JS199700007000
解説1996年の平櫛田中賞の対象作品となった本作品は、楠の年輪の線をも生かしながら、表面を彩色していったものである。胸部から胴体部分へのゆったりとして安定したヴォリュームを基体として、比較的ほっそりとして小さな頭部と家屋と山のモティーフが載る。斜めに傾げた顔の向きと眼窩に入った大理石による眼球の表現とが、作家本人にも似たこの人物に夢見る表情を与えているが、何より特徴的なのは、頭部の後ろ側についた子供の顔だろう。頭部に別の顔をつけるという組み合わせは、1995年制作の《月が走る》においても観察されているので、タイトルの共通性と肩の家と山との位置関係から、子供は月の擬人的な表現とも解釈できる。こうして、舟越は現代人という具象的な表現に加えて、物語り性をすべりこませることで、新たな具象彫刻の世界を大きく切り開いたと言えるだろう。

PageTop