生時は青くない(59センチ、2.4キロ、母島、6月)

アオチビキ ( Green jobfish )

名称(ヨミ)あおちびき
中分類スズキ目
小分類フエダイ科
形態最大で1.2メートル、20キロを超えることがある大型魚。ふつう釣獲されるのは、50センチ~1メートルくらい。生体では全体的に白銀で背側がやや緑っぽいが、死んですぐは背側が青くなる。市場に流通するころには、鉛色のようになる。顔は卵のように丸みがありながら、歯は鋭く、全体的には細長く尾びれはマグロに近い鎌のようなフォルムのため、ギャップやアンバランスが感じられる。生体では背びれや腹びれ、尻びれに空色の帯があり美しい。標準和名にあるアオが、昔ながらの緑の意か、現代と同じ青かは判然としない。さらに、チビキ=血引きと呼ばれるのは赤い身の魚だが、本種は白身。
概要※大型に成長した場合、体内でシガテラ毒が濃縮されていることがあり、注意が必要。そのため、一部の市場では流通を自粛している。

【分布】
太平洋、インド洋の温帯から亜熱帯にかけての、大陸棚より浅い沿岸岩礁帯やサンゴ礁周辺に広く分布する。国内では沖縄県や鹿児島県のみならず、高知県でも漁獲されるようになり、徳之島では岩礁やリーフの外側に生息している。

【生態】
小型の魚、エビ、カニなどの甲殻類、イカなどを食べる肉食性。1尾もしくは少数で回遊するとされる。筆者(山田文彦)は犬の門蓋でシュノーケリングしていたとき、25センチ前後の幼魚が1尾で遊泳しており、好奇心が強いためか、筆者を中心に円を描きつつ泳ぎ、しげしげ様子見していた。

【島内の目撃情報】
秋利神漁港や徳之島空港周辺など、町内の磯で釣獲されるが、数は多くないようだ。癖のない白身はうま味が充実しており、刺身、煮付け、味噌汁などいずれも美味。ただし刺身については、西日本で好まれるしっかりした歯ごたえはなく、優しい歯ざわり。

【シマグチについて】
アオマツと呼ばれているものの、知っている島人は少ない。ウチナーグチではオーマチ。

 
観察できる場所松原漁港の突堤の先端周辺

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