採餌しているムジセッカ(総合運動公園、11月)

ムジセッカ ( Dusky warbler )

名称(ヨミ)むじせっか
中分類スズメ目
小分類ムシクイ科
形態スズメとメジロの中間くらいの大きで、一見、ウグイスの雌(雄より小柄)によく似ている。本種は眉班がくっきりし、ウグイスほど尾羽は長くない。ウグイス同様に、上面や翼がいわゆるうぐいす色=黄緑がかった灰色。対して、下面はウグイスのような薄い灰色でなく褐色みがある。
生息種類冬鳥(渡り鳥)
概要【分布】
ユーラシア大陸中部~東部の亜寒帯から温帯にかけて広く繁殖し、越冬のため中国南部や台湾、インドシナ半島へ南下する。国内では、台湾と同じ緯度に位置する先島諸島で越冬するとされる。徳之島では2020年の秋以降、越冬が確認されている。

【生態】
小柄で警戒心が強く非常に見つかりにくいため、生態には不明な点が多い。昆虫など肉食の強い雑食性と思われる。地鳴きはジョウビタキなどヒタキ類の地鳴きである「タッ」ともウグイスの「ジャッ」とも異なり、「チタッ」(チはごく細い声)と乾いた印象の声で鳴く。また、島内で鳴き声を聞かれるのは、冬場の強風や雨が止んで小春日和のような陽気の日が多い。低木や植栽の中を移動しながら採餌し、時折地上に降りる、すぐにもどる。

【島内の目撃情報】
今のところ奄美群島では迷鳥とされ、八重山列島で少数が越冬するとされるものの、2019年の秋以来、毎年越冬が確認されており、冬鳥となりつつあるらしい。現状では本種を確認したのは筆者(山田文彦・奄美野鳥の会)とその関係者のみと思われるが、鳴き声さえ覚えられれば、気づくのは難しくない。天城町総合運動公園の北部(弓道場以北)の植栽やイノーのメヒルギの中、戸ノ木団地北側を流れる南川周辺の畑などで確認されている。秋は10月下旬以降に飛来し、越冬した個体は5月上旬まで見られる。また、4~5月の好天のとき、稀にさえずることがある。

※関連URLは、天城町総合運動公園で録音された、地鳴きとさえずり音声へのリンク。
関連URLhttps://drive.google.com/file/d/17fESe4ZxlETn-BGjNbjKgCHgHOw0vsfR/view?usp=sharing

PageTop