植樹した場所のメヒルギ増殖(天城町・岡前戸ノ木)

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メヒルギ【国内外来種】 ( A kind of mangrove )

名称(ヨミ)めひるぎ
形態干潟から生える姿=樹相は、ブロッコリーの様。葉は5センチ程度の卵型で、ガジュマルに似て厚みとツヤがある。樹高は最大で15メートルほどになるが、国内ではその半分程度まで成長する。6~7月には、小さな白い花を咲かせる。
概要★マングローブ植物と、マングローブの誤解
オヒルギ、メヒルギなど、マングローブを構成する樹木は、マングローブ植物とも呼ばれる。ただし、マングローブ植物が生えれば、そこがマングローブというわけでなく、河口にマングローブ植物が生息する地域を、マングローブと呼ぶ。河口でない場合は、群落という。天城町総合運動公園周辺のものは、有志により植樹されて広がったメヒルギの群落である。また、岡前川津辺の南川や前川河口にメヒルギが生えており、狭いながらもマングローブであるが、先の移入されたメヒルギの種が流れ着き、根付いたものである。ちなみに、南大東島(沖縄県)には河川がないが、内陸部の湖沼「大池」が地下で海とつながっているため汽水となっており、メヒルギの近縁種オヒルギが繁茂している。その場所は、オヒルギ群落として国の天然記念物に指定されている。

★マングローブ植物は環境浄化しない
マングローブが河川の浄化に役立つのは、泥の中や表面に生息する動物プランクトンやゴカイ類、カニ・エビなどの動物であり、メヒルギなど樹木が貢献することはない。もとより、有機物を吸収することはできず、一部の植物には有害無機物を吸収する能力があるものの、複雑な内蔵などを持たないため分解できず、蓄積するのみである。従って、葉や種を落とすことで拡散させてしまうことになる。更に、流れを妨げゴミなど漂着物を溜めてしまい、環境を悪化させてしまうことも少なくない。

★植樹による問題
沖縄県那覇市と豊見城市の境にある漫湖では、植樹によって1990年代以降にマングローブ植物が急激に増加し、干潟を埋め尽くした。ラムサール条約に登録された貴重な干潟を覆いつくし野鳥の渡来が減ったため、環境省により伐採が行われるようになっている。増殖に歯止めが掛からないこと、干潟を陸地化してしまうこと、河川の流れを妨げ治水など困難な問題が出ている。

【分布】
東シナ海以北の台湾、中国、日本国内沿岸に生える。種子島の西之表市の群落がマングローブの世界的な北限でもある。徳之島の自然分布は、現在のところ不明で、人の手による移入である。(国内外来種)

【生態】
町内においては、5年で1メートル程度に成長する。梅雨から初夏に花を咲かせ結実すると、枝についたまま種から根を伸ばし、1年かけて成長する。20センチほどに成長した芽と根(胎生種子)は、明くる4月ごろから元の種の殻から落ち、流されて分布を広げる。直下に落ちた胎生種子は、そのまま定着することもあるが、大半は流れ去り、流れ着いた先で根を伸ばし、自ら立ち上がって成長するため、直接泥に刺さる必要はない。また、水にに沈むもの、浮くもの、中層に漂うものなど様々な比重の胎生種子があり、川の流れや潮の干満によって、効率的に拡散する。

【島内の目撃情報】
天城町岡前川津辺から、浅間の海岸で見られる。2010年ごろから、爆発的に増殖を続けている。泥と共に、流されてきたゴミを溜め込んでしまうため、見苦しい場所が散見される。

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