ハシビロガモの雄(左)と雌(右)

ハシビロガモ ( Northern shoveler, Shoveler )

名称(ヨミ)はしびろがも
中分類カモ目
小分類カモ科
形態ハシブトガラスやマガモより、やや小さい。ショベルのような幅広のくちばしが特徴。雌雄異色で、雄は派手、雌は他の種と同様に濃淡のある褐色。雄の繁殖羽は、マガモに似て頭が光沢のある緑色。くちばしは黒い。胸に赤茶色の帯があり、遠くからでも目立つ。メスは全体に濃淡のある褐色で、くちばしはオレンジ色に褐色や黒い斑がある。雌雄とも、足は鮮やかな柿色。他のカモと同様、繁殖期以外の雄は地味な姿(エクリプス)になるものの、頭部や背が黒く、雌の褐色の姿には似ていない。翼鏡*は、光沢のある緑である。

*翼鏡(よくきょう)は、翼の後方、内側にある色鮮やかな羽毛のことで、種によって異なるため、見分けに用いられる。
生息種類冬鳥(渡鳥)
概要【分布】
ユーラシア大陸、北米大陸の中~高緯度、亜寒帯の地域で広く繁殖し、ヨーロッパ南部やアフリカ北部、インドや中国南部、北米大陸南部など、暖地へ南下して越冬する。徳之島では、比較的大きな池やダムに飛来する。

【生態】
冬場、比較的よく見られるカモ。主に水草や種などを好んで食べるが、プランクトン、貝類、甲殻類、水生昆虫、魚類なども食べる雑食性。深く潜水できないため、浅い池に飛来する。早い個体では、年内には繁殖羽へ換羽する。『おしどり夫婦』という表現があるが、カモ類は、毎冬新たなパートナーを探し求めるため、繁殖になるのが他の鳥類より早い。

【島内の目撃情報】
天城町内では、徳之島空港周辺の干潟に時折飛来するが、長居はしない。天城集落にある上名道池では、ほぼ毎年見られる。徳之島町の、諸田池にも飛来する。ほか、水草の多い沈砂池にも飛来する。
観察できる場所池、浅いダム、沈砂池など

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