トウガタカワニナの一種(13,000年前ごろ)

トウガタカワニナの一種

名称(ヨミ)トウガタカワニナ ノ イッシュ
中分類巻貝類
小分類川、池の巻貝(カワニナ、タニシなど)
形態※下原洞穴遺跡の出土品

生体だったころの殻や軟体については不明。殻高が5センチを超える、大型のカワニナ。形態は、現在のタケノコカワニナに酷似する。現在の南西諸島では、大型のカワニナは、トウガタカワニナ科のスグカワニナ、ヨシカワニナが生息しているが、本種の殻径はそれらより大きく、太い傾向にある。
概要下原洞穴遺跡のII層~IV層(約6,000~13,000年前)から出土している。主に本種とイシマキガイ、オオヤマタニシが出土することから、縄文人は本種とイシマキガイは、オオヤマタニシと同様の食べ方だったと考えられる。また、チョウセンハマグリなど大型の二枚貝が出土しないことから考えると、食べるというよりも、冬場に汁物にして飢えをしのいだ可能性がある。

【分布】
タケノコカワニナは現在の南日本に分布し、南西諸島には生息していない。ただし、最終氷期から気候が暖かくなるにつれ、数を減らしていき、絶滅した可能性がある。

【生態】
他のトウガタカワニナ科の種と同様、河口近くの汽水域や淡水域の泥地(干潟)に生息し、泥の表面のデトリタス(細かい有機物)や藻類などを食べていたと思われる。

【島内の目撃情報】
現在の秋利神川河口周辺には干潟やマングローブはないが、数千年前までは存在していた可能性がある。また、比較的新しい層ほど本種の殻は大きくなり、加えて他のトウガタカワニナ科のネジヒダカワニナ(もしくはその近縁種)やウミニナ類のフトヘナタリも出土するようになることから、環境が変化していたと考えられる。
観察できる場所現在は未確認

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