ハシブトアジサシ(夏羽)

ハシブトアジサシ ( Gull-billed Tern )

名称(ヨミ)ハシブトアジサシ
中分類チドリ目
小分類カモメ科
形態キジバトより大きくユリカモメ大のアジサシ。翼を広げると90センチを超える。一見全体が白く見える。翼の上面は薄灰色(いわゆるガルグレー)で、先端にいくほど黒っぽい。名の通り、アジサシにしてはくちばしが太めで黒い。夏羽と冬羽(および若鳥の羽)では頭部が異なり、夏羽は額から後頭部にかけて黒く、冬羽では目の後の部分だけが黒く、換羽宙はごま塩状になる。足は黒い。飛び方が似ているクロハラアジサシは、ずっと小柄で足が赤黒い。
生息種類旅鳥
概要【分布】
南極大陸以外の全ての大陸に広く分布する。温暖な地域で、ヨーロッパ南部、東アジア、北米大陸南部の東西海岸、南米大陸北東部、オーストラリアで繁殖する。徳之島では、トリトリデッキ周辺で年に1、2度飛来する。

【生態】
関東以西の干潟に、稀に飛来する旅鳥。アジサシながら、とてもカニを好む。一見ゆっくり飛んでいるように見えるが速い。干潟上空を往来、10メートル前後の上空からカニを探し、急降下して干潟をかすめるように飛んでくちばしで捕獲する。あまり着地せず、飛びながら捕食を続ける。カニなど甲殻類の他、小魚、小型の爬虫類、両生類、昆虫などを捕食する肉食性。各大陸の湖沼、河口の湿地帯などでコロニーを作って繁殖し、滅多に海を越えて渡ることはないとされる。成熟には5年ほどかかり、カモメやアジサシのなかでは長く、4~8月に冬羽の個体は若鳥と思われる。

【島内の目撃情報】
トリトリデッキのある浅間周辺の干潟に飛来した記録は、2010年4月、2011年6月、2012年6月、2012年10月、2013年8月、2014年8月、2015年7月、2016年5月、2017年7月、2018年6月、2019年5・6・7月、2020年4・7月、2021年6月、2022年9月・10月、2023年6・8月、2024年6・7月である。2024年7月現在、1~3羽で飛来し2、3日で移動することが多いが、一月半あまり滞在したこともある。また例外的に、2022年9月は台風から避難してきたと思われる12羽が観察された。

 
観察できる場所トリトリデッキ周辺の干潟

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