ヒメシャコガイ

ヒメシャコガイ ( Boring clam )

名称(ヨミ)ヒメシャコガイ
中分類二枚貝類
形態殻長20センチほどになる二枚貝で、シャコガイのなかでは最も小さい。サンゴ由来の石灰岩などに、めり込むように生活しているため、通常は殻が見えない。殻頂=ちょうつがいから放射状に波打った形をしており、上下の殻の形がぴったりと合わさる。殻は白いが、半ば開いた殻の間から、波打った唇のような外套膜を出しており、その色彩はコバルトブルー、深緑、紫、褐色などを組み合わせた複雑な模様があり、多彩。生息地には、よく似たヒレシャコガイも見られるので、混同されやすい。

※外套膜の色彩は、共生している褐虫藻(渦鞭毛藻)と、外套膜のタンパク質の微細な構造による光学現象=CDやタマムシの色に代表される構造色とが相まって、様々な色彩や模様を構成している。
概要【分布】
西太平洋の暖海、南西諸島、東南アジアを経てオセアニアのサンゴ礁で見られる。徳之島でもサンゴが多い場所で見られる。

【生態】
石灰岩を酸性物質で溶かして穴をあけ、すっぽりと納まって生活している。殻を開いて外套膜を出しており、光の加減や接触などの刺激によって、すっと引っ込めて殻を閉じる。水中を浮遊するプランクトンなども捕食するが、主に外套膜に共生させている褐虫藻が、光合成によって得た栄養をもらって生活している。褐虫藻は外套膜の細胞内でなく層状の間で生活しているため、プランクトンなどと同様に宿主に捕食されることもある。雌雄同体。

※沖縄では人気の食材として流通しているが、漁獲は多くなく養殖が進んでいる。ただし独特の磯の匂いがするため、本土では好まれない。

【島内の目撃情報】
天城町内では、ヨナマビーチのサンゴ周辺の岩で普通に見られるが、小さめ。
観察できる場所日当たりのよいサンゴ礁や、サンゴの周辺の石灰岩上。

PageTop