オニヒラアジ(花徳、69センチ、3.4キロ)

オニヒラアジ ( Brassy trevally )

名称(ヨミ)オニヒラアジ
中分類スズキ目
小分類アジ科
形態全長80センチを超える、大型のヒラアジ。全体が銀白色でロウニンアジに似ているが、体側から背にかけて黒い斑点が多く、えらぶたの上端に黒い点がある。同じ全長の個体ではオニヒラアジはロウニンアジよりも体高が低く、体重も軽いスリムな特徴をもつ。死後は体色がやや黄色味がかる。20センチ程度の稚魚はメッキやエバと呼ばれるが、ロウニンアジやギンガメアジとの見分けは難しい。水上から見ると、全身が薄い青=空色に見える。なお、鹿児島県内では本種に似たイトウオニヒラアジが漁獲されており、各ひれが濃い黄色で、尾びれの上端が黒い特徴がある。

※ヒラアジとは、アジ科のなかでも肉食で、顔がマダイに似たアジの俗称。マアジやメアジ、ムロアジなどと区別される。顔がマダイに似ないカイワリ、シマアジなどを含め扁平で中大型のアジ類を島口でガラ、沖縄ではガーラと呼ばれる。

※魚類の体長には、全長と叉(さ)長があり、全長は頭の先から尾の先、叉長は頭の先から背骨の延長の尾びれの後端である。そのため、尾びれ中央部の切れ込みが大きい魚種ほど全長と叉長の差が大きい。
概要【分布】
太平洋西部からインド洋の亜熱帯、熱帯海域に広く分布する。徳之島では、砂浜の海岸や砂の多い河口で見られることが多い。なお、内地でメッキと称されるヒラアジの幼魚は、黒潮の海流に流された死滅回遊となるが、その多くを占めるのが本種。

【生態】
小魚だけでなくエビ、カニなど甲殻類なども積極的に捕食する肉食性。他の大型ヒラアジのカスミアジやロウニンアジが比較的透明度の高い外洋の磯やサンゴ礁を回遊するのに対し、水深が50センチ程度あれば満潮時のイノー/礁池など、濁りのある浅場にも現れて採餌する。体高が低く、大型種の中では最も浅場に適応していると考えられる。実測で78センチのオニヒラアジは4.4キロ、カスミアジではと7.1キロでオニヒラアジは6割強の重量しかないぶん、浅い場所で小回りが利き、機動的に採餌することができる。産卵期は夏から秋だが、ばらつきがある。50センチ程度までは群れになるが、大型になると1~3匹で回遊する。一般的にヒラアジ類は、その全長の1/3~1/2近い大ぶりな魚を大胆に狩るイメージを抱かれがちだが、本種は内湾で泳ぎの遅い数センチの稚魚や、底生のカニ、アナジャコなどをこつこつ食べることが多い。

参考:刺し網やルアー釣りで漁獲されるが、あまり多くはない。主にイノーや内湾で採餌するため、磯やサンゴ礁のハギ、ベラ、ブダイ類などを捕食する率が低いため磯臭さがなく、大型になっても脂の乗りがほどほどで、刺身、焼き魚に向いている。 ただし、同じアジ科のブリやカンパチに比べると、うま味は薄い。

【島内の目撃情報】
天城町内では、大潮満潮時の天城町総合運動公園周辺のイノーや、松原漁港周辺で見られる。ほか徳之島町の山の海水浴場や花徳浜などでも見られる。昼間、砂浜など浅場を回遊する大型ヒラアジは本種が多い。朝夕はロウニンアジも浅場に入ることがある。

※本種をルアーで釣獲する場合、体に比して小さいルアーを好むので、強烈な引きでも延ばされにくい針を用いる必要がある。なお、ラインにPE0.8号、リーダーにフロロカーボン3号を用いた場合、70センチ/4キロ程度であれば、強度的には十分である。ドラグ設定は弱めにし、魚が弱ったら、徐々に強くしていくと強烈なダッシュで切られることが少ない。100m以上ラインを引き出されるため、水揚げまでは時間がかかり、15~40分が目安。
観察できる場所砂地の浜、港、河口周辺など

PageTop