モクズガニ(水中)

モクズガニ ( Japanese mitten crab )

名称(ヨミ)モクズガニ
中分類エビ目(エビ、カニ、ヤドカリなど)
小分類モクズガニ科
形態甲幅は8センチほどになり、川に生息するカニのなかでは最大。イワガニの仲間らしく、比較的丸みのある甲羅と長い足を持つ。体色は茶褐色や緑がかった褐色で、個体変異がある。よく視ると甲羅には砂粒のような細な粒状班が見られる。腹側は白っぽい。雌雄とも成長するとはさみ足に褐色の毛が生えるが、雄の方がはるかに毛深くなる。
概要【分布】同じ属で近縁のチュウゴクモクズガニ(シャンハイガニ)がその名の通り上海、長江河口周辺を中心に生息しているのに対し、それを囲うように分布。サハリンやロシア沿海地方から朝鮮半島、日本列島、台湾、香港周辺などで見られる。徳之島では、比較的流れのある大きな川で見られる。

【生態】
秋になると、雌雄とも川を下り交尾、産卵をする。産卵期は、秋から梅雨のころまで続く。孵化した幼生はしばらく海でプランクトンとして生活し、やがて泳力を得て川へもどり定着、カニとして生活するようになる。ただし、プランクトン生活をするうちに、外洋に出てしまうことも多く、故郷の川へ戻る可能性は極めて低い。主にデトリタス(植物由来の有機物)や岩などに付着する藻類を食べるが、ミミズなども食べる雑食性。

参考:島口ではマーガン、ターガンと呼ばれる。秋が深まり、サシバ≒タカ≒ターが渡ってくるころに川を下り、産卵期および旬を迎えることから、そう呼ばれている。島内では、シャンハイガニのように蒸して食べることはせず、細かく砕いて味噌汁にする。

【島内の目撃情報】
5月から8月にかけて、雨の日や雨上がりの道路や林道で夜に見られる。また、真冬でも水の絶えない林道脇の側溝などでも同様。川からずいぶん離れた道路に現れることもある。町内では港川、湾屋川、秋利神川で生息が確認されている。
観察できる場所10~11月ごろ、河口に近い場所にカニ網を仕掛けるのが早道

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