畑の杭にとまるサシバ

サシバ (Grey-faced Buzzard)

名称(ヨミ)さしば
中分類タカ目
小分類タカ科
形態リュウキュウハシブトガラスより、ひとまわり小さいタカ。頭から背、翼の上面にかけて濃い茶褐色。雌は体が大きめで、目の上にある眉班が明瞭で、雄はやや小柄で眉班がはっきりしない。くちばしの下からのどにかけて、黒い線があり、胸から腹にかけて褐色の横縞が入る。幼鳥は胸から腹には不規則な縦縞が入る。全身がほぼ濃い褐色につつまれた、暗色型と呼ばれる個体が稀に見られる。
生息種類冬鳥(渡鳥)
概要【分布】
夏は北上し、中国北東部から朝鮮半島、日本国内などで繁殖。越冬のために南下し、南西諸島や東南アジアなどで越冬する。徳之島には越冬のために渡来し、毎年見られる。島内では、平地の牧草地周辺から山麓の森林まで見られる。

【生態】
秋、渡りのシーズンには「キッウィー」と盛んに鳴く。肉食性で、高い木や電線から見下ろして餌を探し、タイワンツチイナゴなどの大型の昆虫や小型の鳥、ネズミなどを食べる。10月ごろ、山の周辺の上昇気流を利用し、小さな集団で渡る姿(鷹柱)が見られることがある。春秋の渡りの時期、佐多岬などで大群が見られることで有名だが、徳之島では希に上空を大群が通過するのみ。アカハラダカの群れは犬田布岳周辺などで一晩休んでから渡りを続けるが、サシバの群れは島で休むことはない。ただし、南西諸島で越冬する少数の群れは、島で休みながら南下するようだ。毎年、少数が徳之島でも越冬し、冬鳥の定番となっている。11月~明くる2月ごろにかけ、パートナーがいない雌は、若い雄を追いかけては鳴いて、ペアになるよう誘う姿が散見される。ほか、サシバほどではないが、ハヤブサやチョウゲンボウにも、同様の行動が見られることがある。

【島内の目撃情報】
10月初旬、美名田林道周辺で午前中に小さな鷹柱になることがあり、夜になると高い枝で休む姿が見られる。遅れて渡るアカハラダカと混成の鷹柱になることもある。越冬しているサシバはバッタ類を好むため、牧草地周辺の電線や電柱の上で見られることが多い。平地の個体は3月初旬には北へ戻っていくが、山麓の個体はやや遅くまで残る傾向にある。

2016年10月7日、鹿児島から飛来したと思われる群れが、天城町役場上空を通過するのが観察された。13時すぎから2時半ごろまで、数百羽が通過したと思われる。島の上空を通過するのは珍しい。

2017年4月14日、昼12時すぎ、天城小学校の上空に数十羽の群れが現れて、上昇しながら北上するのが観察された。朝、八重山もしくは沖縄島から飛来したと思われる。春の渡りが見られるのは非常に珍しい。

※島でター(鷹)といえばサシバのこと。秋、サシバの声が聞かれる頃になるとモクズガニは川を下って産卵に向かい、旬を迎えることから島口ではターガンと呼ばれる。ほか、マーガンとも呼ばれている。
観察できる場所牧草地、森林

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